007 水夫・船員
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<水夫>

久しぶりに訪れた港町を歩きながら、彼はため息をつく。
以前に酒場で出会った恋しい娘は、とうの昔に彼を忘れて
別の男の許に嫁いだという噂だ。

1年も空ければ当然か……。

船旅の最中に微笑んでくれた女神はここにはいないらしい。
小粋な赤い水夫帽も陸の上では心なしか色褪せてしまう。

「喧嘩だ、喧嘩だ!!」
前方の人垣からそんな声がした。反射的に彼は走り出す。
荒事好みは天性の物。失恋の痛手など頭からすっ飛ばし、
人垣の中へと入っていった。

彼は陽気な“before the mast”。

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