| 037 酒場の主人・おかみ | お見本作文・・・明さん |
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| <酒場の主人> | |
| ある、ワケありの冒険者は語る。 「マスターのおかげだよ、オレの無罪が証明できたの は。あの人……ああ見えて、実は色んなトコロに顔が 利くらしいんだ。 どうやってだかは知らないが、気がついたらオレの 指名手配は解かれてた。 そりゃあ確かにオレの指名手配は冤罪故にだったんだ が、それを解除するコトができるのは国の上層部だけ だろ? それを僅か数日でしたんだから……。 匿ってもらって、その上、助けてもらっといとて何々 だが、本当にあの酒場のマスターは何者なんだろう な?」 ある、元暗殺者の市民は語る。 「マスター? ああ、本当に彼にはお世話になったよ。 俺、こう見えて昔は腕利きの暗殺者だったんだが…… そんな人生に嫌気さしてな。 暗殺者ギルドに退会を申し出たんだよ。 暗殺者ギルドってのは、盗賊ギルドよりも掟が厳しい。 ギルド抜けようとしたら追っ手を差し向けられるんだ けど、当時俺はそんなこと構わないくらい嫌だったん だよな。 俺も追っ手の手に掛かってのたれ死ぬ寸前、マスター に拾われたらしいんだわ。……らしい、というのは、 その時俺の意識なかったからよくわからないんだ。 目覚ました時、マスターが「もう大丈夫ですよ。あな たはこれから普通に暮らせますから」、開口一番にこ う言うんだよ。 全く……最初聞いた時は全くイミなんざわからなかっ たけどな」 ある、ベテランの冒険者は語る。 「あのマスター、あの人は単なる親父に見えて、実は 結構人を見る目がムチャクチャ厳しいんだよ。 だがね、人を見る目は本当に確かでね。マスターの眼 力に適ったヤツのほとんどが出世したり、世間に名を 馳せてるし、そうじゃなくても悪いヤツはいないから な。 よくああも人を見分ける眼があると思うよ。 ……と、こう言ってる俺も駆け出しの頃から、今でも あの人にはお世話になっててね。 どんな情報も教えてくれるし、どういうコネだろうが 紹介してもらった。 ……思い返してみると、あの人にはできないことはな いんじゃないかと怖くなるぐらいだよ。 そうだな……考えてみると、あの厳しい人物の選定眼 があるからこそ、あれだけ顔が広いんだと思うよ。 俺もマスターから、マスターが直接介しての仕事を引 き受けたことが何度かあったんだが……仕事の依頼主 は大したヤツばっかりだったよ」 ある古代種族の、古(いにしえ)からの古い古い英 雄は語る。 「マスター……? ――ああ、彼のことか。 彼のことね……。 ……………………。 …………すまないね、彼について語ることは何も無い よ。 ただわたしが言えることは、あの人は偉大なる存在 (ひと)の一人だということだけだよ」 |
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An author of this short short is "Akira".
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